コルニクス

ブロロロロロロ──────…

ドラコが飛びたつ。

私は多少焦って左手でスロットルを引く。
操縦桿を握る手が汗ばむ。

機体はふらふらしながら宙に浮く。

「ちょ、怪我人?暴れないでよ…!」

「握ってるよ。機体が揺れてるのは舵のせい」

「乗せてもらっといて文句たれないでよ!」

「文句じゃないよ、事実だよ」

確かに操縦桿はふらふらしている。

分かってるけど…

指摘されるとむきになる。

「ガキは仲良くしてろー」

「が…ガキ!?」

クリュさんの言葉が私を貫く。

「ガキじゃないっ!!」

怪我人が怒り、身を乗り出した…!

グラッ…………!!!

「うわっ!!」

< 186 / 575 >

この作品をシェア

pagetop