コルニクス

目を回して慌てふためいてるうちに、
コルンバは墜落し、海の上に見事着水し、プカプカと波に揺られていた。

「助かったあ~。怪我人?無事?」

私が後ろを振り返り、後部座席を見ると、怪我人はいなかった。

振り落とされたっ!?

「おーい!!コルンバー!もうちょい後ろ~!」

不意に声が降ってきた空を見上げると、開いたパラシュートを背負い、ふわふわと降下してくる怪我人がいた。

脱出したのか…

「早くコルンバが後ろにきてくれないと、俺水に浸かっちゃうよ?」

パラシュートはゆっくり降下できるという利点はあるが、
着地地点をコントロールすることはできない。

着地したい地点が動かないと。

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