コルニクス

ちゃっちゃと手紙を配達してくるからお前らはここで待っていろと、そんなところだろうか。

とにかく早く戻ってきてっ!!

助けて!!!

私は弱った怪我人を支えるので精一杯だった。

泳げない。進めない。休めない。

助けて!!!

一生懸命息をしている口が水面につく。

……しょっぱい。

すると、目の前にぷかぷかと浮き沈みするものがあった。

それは、私が首から下げている、笛だった。

もう誰でもいいから助けて!!!!

私はホイッスルを吹こうと思い切り息を吸った。

笛に息を吹き込む前に見えたもの。

それは水面にそっと着水する大鴉だった。

「コルニクス…!!」

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