コルニクス

男性は「そうか」と言って笑う。

この人も…軍人……。

私が変なことを考えた瞬間、男性が私達に問う。

「ところでお2人さんは何に乗って帰るんだい?」

「え、コルンバ…」

反射で答えて、気づく。

「コルンバはっ!?」

コルンバが消えていた。

「波に流されたんだ…」

怪我人が頭を落とす。

それと同時に、パシャパシャと水を泡立てながら進んでくる真っ赤な機体が見えた。

「ドラコッ!!」

怪我人のさっきまでの弱って衰弱しきった様子が嘘かのように、元気よく、通る声で叫んだ。

ドラコがコルンバを引きつれて水上を進んできたのだ。

「なんなんだよ、お前ら本当」

< 198 / 575 >

この作品をシェア

pagetop