コルニクス
それは確か出発する前にも聞いたセリフ。
「クリュさぁ~ん!」
「ドラコォ~!」
私達が同時に泣き付く。
「2人して溺れたのか…」
びしょ濡れになった私達を見てクリュさんが溜息をつく。
「ドラコのせいだぞ!!」
怪我人が文句をたれながらドラコの後部座席に乗り込む。
私はその後ろのコルンバに乗り、脱ぎ捨ててあったコートを羽織った。
クリュさんがルナの男性に「どうも」と言って軽く会釈程度に頭を下げ、ドラコを発進させる。
男性は手を振って見送っていた。
ある程度ドラコに引っ張られるまま進んだあたりで、クリュさんが「飛ぶからスロットル引け」と言った。
言われた通りにして上昇する。