コルニクス

実際、私もへぇ~と思った。

怪我人が自分のこと話すときって絶対悲しい顔するけど、上司の話は違った。

「暗殺部隊の上司が、人殺しにそういう念を抱いていたことに驚いたんだよ」

「でも結局は人殺してんじゃねーか」

スパッとクリュさんが突っ込む。

「ま、そーなんだけどっ!!
人殺しに何の感情も抱かない人とか、人殺しを楽しいと思ってる人よりはいいだろ!?」

いつもの笑いが起こる。

もはや名物となっていたクリュさんと怪我人とのやりとりを見れるのも、今日が最後かもしれない。

その後は、緊張の糸が切れたというか、ほつれたというか、ほぐれたというか…。

いつも通り、楽しい朝食だった。

< 204 / 575 >

この作品をシェア

pagetop