コルニクス

「寂しくなるな~…」

「お迎えは明日のいつ来るの?」

「分かんないや」

「見送りくらいさせろよ?
明日の朝セルと俺は配達行くけど
その間に帰ったりすんなよ?」

「了解、パクスさーん」

「だからパクスはテラの母船だって!俺が普段パクスに乗ってるわけじゃないから!!」

そのあとも約30分間、和気藹々とした、なごやかで楽しい気分がダイニングに満ちていた。

私もその気分に包まれ、一緒に笑っていた。

それでもその35分後、私の心には重々しい真っ黒な雲が素早く立ち込め、豪雨となる。

さっきまでの楽しさを掻き消し、豪快に降る雨や吹き荒れる風によって、私の心は荒らされる。

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