コルニクス
その雲は、朝食後、私が部屋に戻った5分後にクリュさんが連れてきたものだった。
部屋のドアをノックする音が聞こえ、ドアを開ける。
そこに立っていたクリュさんの顔には、表情というものが、感情そのものが無かった。
鋭く刃物のように鋭利な、光の灯らない目。
その目がつくりだす闇に吸い込まれていくようで、身動きがとれなくなった。
「どう…したの?」
「クロって誰?」
クロ…?さっきの呟きが聞こえていたんだ…。
「誰かなんて分からないよ」
「お前はサウスポーのコルニクスを探している。
それはルナ・ファミリアに知り合いがいるからだと聞いた。
そいつはどういう知り合いだ?」
「クリュさん?」