コルニクス
どうしたの、クリュさん…。
「こんなこと言いたか無いけどな、」
クリュさんの眉間に皺が寄る。
怖い……怖い怖い怖い。
クリュさんが怒ってる…。
いつもの怒ってるクリュさんとはわけが違う。
「お前、ルナのスパイなんじゃねーの?」
え?
「誰がターゲットかあるいはスパイじゃないのか知らないけどな、疑いがあるんだよ」
クリュさんの言葉が散弾になって、私の心を次々に貫く。
ずきずきと痛む心には、たくさんの穴が開いた。
「お前がピンチの時にはコルニクスが2度も助けた。
1回目においては何故か笛を鳴らした。
意味もなく鳴らすわけないだろ?何か合図を決めてあったんじゃないのか?」