コルニクス
2度…
ユピテルの母船に大砲で打たれそうになった時と、今日溺れた時だ…。
私がスパイで、コルニクスは仲間だから助けたと思ってるってこと?
「あとお前がやけにサウスポーのコルニクスを探しているわけも気になる。
何か機密兵器でも受け取るためか?
作戦変更の打ち合わせをするためか?
あとあのコートは誰のだ?
なんとか言え」
何を言えっていうの…。
喉の奥が熱くこすれるように痛む。
目頭からは大量の涙を感じ、目を潤し、目尻にかけて走り、頬を次々に伝い、顎からぽたぽたと落ちる。
呼吸が乱れ、しゃっくりが止まらなくなる。
「俺がお前を疑うのはな、大切な家族を守るためなんだ」