コルニクス

飛行艇はやっぱりプシューと音をたてて島に着陸した。

クロも飛行艇から迷わず降り、着陸。

私は?

…勿論、迷う。

「セル?」

クロはまたもや手を差し延べてくれる。

「降りないの?」

「…降りれないんです」

「え?」

クロはいかにも、こんな着陸してる飛行艇の操縦席から降りれない訳ないだろ~って顔をする。

具体的にいえば、眉間にシワを寄せ戸惑い気味に首を傾げていて、一生懸命考えこんでいる顔。

たった数時間前に出会ったばかりのクロのことはほとんど何も知らない。

名前すら。

でも戸惑い、憎悪、嫌悪は感じとれる。

感じとれているはず。きっと。

「ああ、特殊能力のこと?」

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