コルニクス
◆FIFTEEN
:Chrysoprasos's eyes‡
「ルナ・ファミリア所属大佐、ラクテウス・オルビスです。
部下がそちらに多大なご迷惑をおかけしました。
この恩は必ずお返しします」
階級を述べるといういかにも"軍隊"な目の前の男は、大佐というには少し若すぎる、というか幼すぎると思った。
まあ、軍隊の事情なんて知らないけど。
「どうぞ」
俺はその堅苦しい若造を、部下だかの寝る部屋に案内した。
"部下"なんて言っても、2人とも世代は同じくらいだとは思う。
こんな青年のうちから軍人か…。
俺はあり得ない。軍隊なんて大嫌いだ。
なんで自分の貴重な人生を戦争ごときに費やさにゃならんのだ。
俺は怪我人の部屋のドアを開け、大佐殿を中へ促す。