コルニクス

何か疾しいことでもあるのか?

俺が大佐殿を疑いの目で見はじめたとき、
玄関が賑やかになり、「おーい、怪我にーん。もう帰るのかーい?」と、クルシオの暢気な声が聞こえてきた。

「外にお迎えが止まってたぞーい」と言いながら部屋にクルシオが入ってくる。

酔ったテンションだな、こりゃ。
と呆れていると、ひとつあることに気がついた。

クルシオがでっかい声を出しながら部屋に入ってきたら、部屋の中の人は普通皆クルシオに注目するはずだ。

なのに…大佐殿はクルシオから顔を背けるようにして立っている。

何か隠している。怪しい。
ルナ・ファミリアの大佐なんだ。
それなりのことは平気でするだろう。

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