コルニクス
「大佐のどこが下?
え…オルビス、元帥目指すとか無理っしょ、普通に考えて」
怪我人が一人で突っ走っていると、クルシオは指を立て、チッチッチッと言った。…うぜっ。
「これ、俺の息子」
大佐殿を親指で指さした瞬間、怪我人の目が静かに見開く。
怪我人は声を絞りだすようにして「成程」と言った。
「もう帰r…」
「コバルトってさ!本名?」
怪我人が大佐殿の言葉を遮り、食い付く。
というか食らい付く。
…帰りたくないのか。
「本名とか無いし。クルシオがつけた程度の名だよ」
「程度とは何だ」
俺、早く出ていこっと…。
物事を真面目に考えなくてもこの場に必要ないことくらいは分かった。