コルニクス

でももしかしたら、

同じ名前なだけで、人違いかもしれない。

俺が聞こえただけで、聞き違いかもしれない。

……でも違わないかもしれない。

「怪我人、もうすぐ帰るかもしれn…」

俺はもっともらしい理由を思いつくが、最後まで言い切れず終わった。

「嘘!?じゃあ行って来る!」

そう言うや否や根性無しは根性無しなりに急いで駆けていった。

俺はその方向を見つめながら、間違いであればいいと心の中で思った。



…何故かは知らないが。



あれかな。

奴がルナ・ファミリアの大佐で、ファタ・モルガナの息子だからかな。

知り合いだったらきっと辛い思いをする。

向こうも多分遠ざけようとする。

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