コルニクス
でも、外見も声も雰囲気でさえも。
彼はまさしくクロだった。
ただ、オーラだけが違った。
霊的なエネルギーの温度が…違った。
「クロでしょ?どうしてそんな他人行儀になるの?私のこと忘れちゃった!?」
私は叫びすぎて息を吸うのを忘れる。
それでも自分はそんなことお構い無しに叫び続けるから、体が空気を求めてむせる。
「落ち着いて」
むせながらも叫び続ける私に、彼が言う。
「私が心の底から会いたかったって思えるの!だからクロなのっ!!」
「いいから落ち着いて」
私は空気を求めてむせていたはずなのに、
いつの間にか過呼吸気味になっていた。
ヒューヒューと喉が鳴る。