コルニクス

おそるおそる地に足をつく。

トンと軽く音をたてた靴は、何事もなかったかのように地に吸い付けられている。

私の未来が確立した瞬間。
なにもかもクロのおかげ。

「クロ」

「ん?」

「此処はいいところですか?」

「うん」

「私、此処にいてもいいんですか?」

「勿論」

「クロと一緒にいられますか?」

「……」

え…?
なんで黙ってるの?

一緒に…いられないの?

「ど…どうしてですか?
私、クロがいないと何も分からないし、生きていけないです!」

「今から俺がお世話になった空族のところに連れてく。
そこで空での生き方を学んで、生きて」

最後の"生きて"だけ、クロの声色が変わった。

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