コルニクス
軍隊では上のほうの階級だからであろうか、
クロが着ている軍服は、ラインなどの装飾が施され、巻いた布や紋章など、お洒落なポイントが点在する。
そんなかっこいい軍服の白いラインが、一部赤く変色した。
私は彼に駆け寄る。
よく見ると、彼の左脇から細い棒が伸びていた。
白いラインが変色したわけでは決してなかった。
クロの血で、赤く染まったまでの話だった…。
「クロッ!!」
「オルビス!」
「コバルト!?」
いつの間にか皆が駆けつけてそれぞれに呼び掛けた。
どの名前で何度呼んでも、クロは返事をしなかった。