コルニクス
怪我人が必死に呼びかける。
寝ているんだから、少し休ませてあげればいいのに…。
「コバルト…」
私の父親であるクルシオは、彼に自ら命名したであろう名を静かに呼んでいた。
コバルト…かあ……。
そういえば昔、身近にいた気がするなあ…コバルトって人。
クルシオが呼んでいたのが、今でも耳に残っている。
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「おい、コバルト!」
それは、まだ私たちがマルス・ファミリアにいた頃。
「なに?うるさいな…」
「俺ぁ配達に行きてぇんだが、ステルラが連れてけとせがんできてしつこいんだ」
「だから?」
「遊んでやってくれ」