コルニクス
クロが服の下から出したのは、懐かしいペンダント。
ずっとつけてくれていたんだ。
「何の鍵かはわからないの。何の鍵でもないかもしれないし」
「ああ、デザインとかモチーフとか?」
今こうしてクロと話していられることが本当に嬉しい。
大切な人と自由に話せない世界は、なんて居心地が悪いのだろう。
やっとできた私の大切な人。
もちろんお母さんも大切な人であって、テラ・ファミリアのみんな、あとは怪我人も大切。
怪我人がテラに来てくれたことも相当嬉しい。
不謹慎だとは思うが、怪我をすると一緒にいられる時間が増える。
だからといってクロに負傷を求めるわけではないけれど。