コルニクス
非常識も甚だしい。
もう一人の自分に言っているがごとき口調で、私は混乱していく。
混乱していくのが分かっていながら、それを止めることはできなかった。
そんな自分が腹立たしい。
クロはいつの間にか私の後ろに立っていた怪我人と話をしていた。
インフィニートゥムにある怪我人の荷物を届けるだとか、
ルナの怪我人の同僚たちに手紙を書くから届けてくれだとか。
クロがルナへ戻る前提で話している会話に怒濤の波は渦を逆巻く。
怒気の間違ったあらわれに困惑しながらも私は立ち上がり、
腹立ち紛れにドアを思いきり力を込めて閉めてしまった。
部屋の中ではクロも怪我人も大きな音に驚いたことだろう。