コルニクス

「なんじゃそりゃ」

クリュさんが私の横をすり抜け、一歩二歩歩く。

「まああいつに何かされたってわけでなければ理由は何でもいいけどさ、
あいつ、怪我が治ったら帰る、ってわけでもないみたいだぞ」

「え?」

「だから、この昼食終えたら帰る、なんて言いだしてもおかしくないって話。
怪我人とは違って元帥とやらにばれてるわけだし、怪我なんか治らなくても帰っちゃいそうだから」

クロとの時間を大切にしろってことかな?

「あいつだって、次いつ会えるか分からないんだし。
そもそも会えるかどうかも分からないわけだし」

そうだよ、今テラにクロがいるだけでも奇跡なのに、
それを堪能しなくてどうするの!

< 280 / 575 >

この作品をシェア

pagetop