コルニクス
「用があれば、笛をふいて。
その音が俺に届くことがあれば、降り立つから。
たとえば…縁切りしたい時とか」
恐ろしいことを聞いた。
すらりと言ってしまうもんだから、びっくりする。
「…どういうこと?」
「宝物を交換するってこと」
「…っ」
泣きたい。わんわん泣きたい。
そんな気分に、クロにさせられた。
クロがクロじゃないみたい。
やっぱりクロはあわれな青年だ。
それにかわりはなかった。
「どうして…そうなるのっ」
宝物を交換する。
宝物とは私のペンダントとクロの笛。
それらはすでに交換してるわけだから、
それをさらに交換するということは、もとに戻すということ。