コルニクス

尖っていて、刺さる。

「縁切りなんて必要ないよ。だって望んでないんだもん」

「……」

「私も、クロも、誰も」

「……」

クロの冷静かつ冷酷な顔は数秒の時を経て、オーラとともに剥がれ落ちた。

ふっと吐かれた息を合図に、
軽く綻んだ顔が躍り出た。

「何を言っても無駄かなとは思ってたけど」

それはいつものクロが浮上した瞬間だった。

「クロ…」

「嬉しいよ、そう言ってもらえて。
こんな、感情を持ってしまった人殺し機なんかに。」

感情を持ってしまった人殺し機?

「クロは機械じゃないよ」

「まあどちらにしろ疫病神だ。ここに俺がいることが知れたらここが狙いの的になる」

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