コルニクス
ベッドの上で寝転がっていた体を起こし、後方に歩き、白いフレームにガラスが張ってある棚のドアをパカッと開くステルラ。
「紅茶でいい?」
「え」
なんて一丁前なもてなししてんだ!!
紅茶なんて上品なもんを個人の自室で出せんのかよ!
妹の部屋訪ねて茶出されるとは思わなかった!!
てか誰も思わないよね?
そんな大した悩みでもないのだけど…
無駄にハードル上がるなあ…
「あ、うん。ありがとう」
ステルラは俺の返事を聞いて満足そうに微笑み、
電気ポットで沸かした湯を、茶葉の入ったポットに移した。
茶葉を通して一瞬にして赤く、茶色く染まり、濁る湯。
それはもう湯ではなく、茶であった。