コルニクス

少し自惚れてみる。

……いやいや、冗談だから。
みんな引かないで!

「で、悩みって?」

「ああ…」

俺は紅茶をすすり、そのお気に入りのティーカップのふちからステルラをそっと窺った。

落ち着いて大人びて見えるせいか、いつものステルラではない。

それか無理に落ち着こうとしてるとか、無理に大人びてみせようとしてるとか。

とにかくステルラがなんとなく違う。

俺がいると居心地でも悪くなるのかな?

「俺の特徴とか個性って、どこだと思う?」

「優しいところ」

 ── 即  答 ── (2回目)

俺はステルラの振り通り、うっかり手を滑らせるなんてことをしてしまいそうになった。

< 310 / 575 >

この作品をシェア

pagetop