コルニクス
「ステルラ」
「なに?」
「ステルラ」
「…なによ」
「ステルラー」
「だから何?怖いんだけど」
俺はティーカップを優しく受け皿に置き、
優しく立ち上がり、椅子を優しく引く。
ステルラのいる、テーブルの反対側にまわり、
「ちょっ」
今だけやけに愛しく見える妹に優しく抱きついた。
「何してんの…!」
「抱擁」
さっきまでの落ち着いた、大人びたステルラは脆く儚く崩れた。
「…離してよ!」
「なんで」
「なんでって…」
「昔よくやったじゃん」
そうだけど…と、ステルラは焦りながらも言葉を濁した。
「昔とは…違うんだから!」
「なにが?」
「…成長、してるし」