コルニクス
ラピスラズリ。空の石。
私は目を細めた。
綺麗にカットされた石が太陽の光を乱反射して眩しかったから。
私の腕が疲れた。
差し出したペンダントをクロがちっとも受け取らないから。
「クロ…?」
「…断れよ」
「え?」
断れって…クロがちょうだいって言ったんだよね?
「大事な物なんだろ。
なんでそんな簡単に差し出すんだよ」
クロ…怒ってるの?
振り返ってクロを見ると、
怒っているのか悔しがっているのか分からない表情をしていた。
とるにたらない微々なことかもしれないけど、
今の私にとっては重要だった。
預からせてと言ったクロが、
何故断れと言ったのかが分からなかったから。