コルニクス

「ごめん!俺帰る」

「えぇ!?」

クロはテーブルにバンッと両手を付き、立ち上がった。

私はあわてて玄関へ向かおうとするクロの腕をつかむ。

「ちょ、ちょっと待ってよ、どうしたの?」

「悪い。俺、知らなかったんだ」

私が腕を引っ張っているにもかかわらず、クロはぐいぐいと玄関に近づく。

知らなかったって何を?

「セル、許せ!」

「だから何を!!」

クロは踏ん張っている私ごと体を引きずり、玄関に到着する。

「ちょっと!みんな見てないで、クロの帰還を阻止すんの手伝ってよ!」

あまりにも急すぎる展開に着いていけずに惚けているクルシオさん、クリュさん、ステルラに呼びかけた。

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