コルニクス
まるで、鬼にタッチされ、凍っていたところを、
味方の手によって解凍され、
のそのそ動きだしたというような
氷鬼シチュエーションががっちりと当てはまる状況で、
クルシオさんとクリュさんが私に加勢した。
大の男が2人も加われば、クロを止めることは容易く、3対1という圧倒的不利な立場に、クロはようやく観念した。
私がクロをつかんでいた手を離した直後、今度はクロが私の手をつかむ。
そして私を壁の隅に追いやり、ギリギリ音になる最小限のひそひそ声をだす。
「セルが特殊能力のことをテラ・ファミリアの人たちに隠していたなんて本気で知らなかったんだ。わざとじゃない」
ああ…え…隠してるなんて言ったっけ?