コルニクス
それはクロが前を見て片手で操縦しながら、
もう一方の手で私の握っている
頑丈そうなワイヤーの先についているこれまた頑丈そうな金具を、
コルニクスの取っ手らしきところにつけた音だった。
そのワイヤーの反対の先に装着部があり、私はそれをウエストに巻いた。
「マラキアの屋上に着陸するのは相当危険だから作戦を考えたんだけど、」
そう言って話しだしたクロの作戦には口が塞がらなくなり、また頭が上がらなかった。
「コルニクスは背面でルーメン畑をなぞるように飛ぶから、
セルはワイヤーで吊り下げられたまま土に足をなすりつけてくれればいいよ。
その間向こうが攻撃を加えてきたら、俺が銃で援護する。
あてにして」