コルニクス
"あてにして"だって!
頼もしー…!
「…充分頼ってるよ」
「よろしい」
恥ずかしくて少しためらって発した私の言葉は、
まるで昔のベタな学校の先生のような口調で即レシーブされた。
「お、ターゲット発見」
いきなりのクロの重大発言に心臓が跳ねる。
ドクンと脈を打つ感触が、鮮明に感じとれる。
胃が徐々に圧縮されていくようにきゅんとし、
あたかも自分の中で緊張を隅から隅まで伝達していっているかのように指が震え出す。
「…本番?」
「勿論」
クロは当然とでも言いたげに答える。
左右の未だ震える手で、左右のコルニクスの取っ手を握る。
ゆっくりと背もたれに足をかける。