コルニクス
下方に見つけたそこそこ大きな艦。
その甲板に広がっている、コの字型の畑で育てられているのが、ルーメン…麻薬の材料。
……よし。
「クロ、行こ!」
「本番5秒前ー」
私の決心の肉声を聞いて、クロが高らかにカウントを始める。
「4」
クロがエレベータを引く。
機体が急降下する。
「3」
マラキアの甲板にいた3人の人が、コルニクスに気づき、銃を構える。
私はコルニクスの取っ手をぎゅっと握りしめる。
「2」
ドンッドンッ───…
銃声。
コルニクスの機銃ではなく、クロの手にしていた短銃から煙が上がる。
「1」
弾が甲板の人の構えた手や銃に当たったことに感嘆する。