コルニクス
日の光を受け、風に髪がなびいているクロの横顔がどうしようもなくかっこよくて、
少しの間見とれていたら、コルニクスが背面飛びになる。
油断した隙にいきなりひっくり返ったもんだから、思わず握りしめていた取っ手を離してしまった。
「わわっ!」
コルニクスから落ちる私。
命綱にぐっとウエストを締め付けられる。
命綱のおかげでなんとかつながってはいるものの、拠り所が無くなった気がして急激な不安の渦に襲われる。
ドンドンと相変わらずクロは的確にマラキアの甲板にいる人たちの武器を撃ち飛ばしていく。
よくもまあ背面飛びなんかしながら短銃で狙えるものだと感心していると、あることを思い出す。