コルニクス

そうだ、彼は軍人なんだ───…

だから、だ。

そして、今はその任務の真っ只中なんだ。

コルニクスはマラキアの甲板に対しての平行を保ちながらそのわずか2、3メートル上空を飛行する。

私は私のするべきことを思い出して、足を伸ばした。

ルーメン畑が足元に見える。

が、届かない。

「クロ!もうちょい下!」

私は背後にいるクロに向かって叫んだ。

「あいあいさー」

それはクロに届いたようで、クロの間延びした、どこかしまりのない返事が返ってきた。

任務中でも、必死にならないんだ。

ゆとりが充分にあって、余裕綽々って感じ。

コルニクスは上昇し、マラキアの甲板から大きく右にそれて旋回した。

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