コルニクス

私は足をうんと伸ばした。

地面に強く打ちつけて足を折らないようにとクロに事前に注意をうけているので、それだけには気をつけて。

ザザザ───────

柔らかな黒々とした土が盛り返る。

健やかな青々としたルーメンが水気を失い縮れ散る。

コルニクスは綺麗にコの字型の畑をなぞって飛行し、私の足はルーメンを殲滅(センメツ)させた。

一瞬にして茶色く成り果てたルーメンの畑。

干からび、枯れはて、ついさっきまで元気に光合成していたはずの植物たちはすっかり撲滅されていた。

これぞ、根絶やしというもの。

コルニクスは正常飛行に戻り、私はウエストにきつく巻き付いている命綱を頼りに後部座席によじ登った。

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