コルニクス

私がブーブー何か文句でも言い返そうと、頭の中のワードをシャッフルして回転させた刹那、

背もたれにしがみついていた左手は無理に剥がされ、体をぐっと引き上げられた。

私はまるで一本釣りで水中から甲板に引き上げられたカツオのようで、

一瞬時何が起きたか分からなくて考えなければならなかった。

唯一分かっていることは、今私がコルニクスの後部座席に座っているということだけだ。

クロが操縦しながら片手で私を引き上げた?

…まさか。
いくらなんでも、ねぇ。

私は思いつく答えを心中で提案してみては、誰に話しかけるともなく話し口調で掻き消していった。

片手で私を釣り上げたとしらどんだけ筋力あるんだよ。

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