コルニクス

「だからそれは、私を空に連れて行きたいと強く思ったものの、
自分じゃ私を危険な目にあわすかもしれないって心配してテラ・ファミリアに預けてくれたんでしょ」

「というかそもそもセルを空に連れてきたのは、
連れて行きたかったっていうのもあるけど、
セルが落下してきた俺を受け止めてくれたんだから、それのお礼だっての」

「あれは下敷きになっただけで!」

「それだけでも充分助かったの!」

「……」

「……ぷ」

…あれ、なんでこんな言い合いになったんだっけ?

そんな疑問も浮かんだがすぐに解消して、そんなことどうでもよくなるくらい、私たちは笑った。

さっきから冷たく当たる北風が、少し薫る。

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