コルニクス
◆TWENTY-THREE
「わっ!」
テラ・ドムスの玄関の扉は、思ったよりだいぶ軽く開いた。
内側からも同時に開けていたようだ。
そして。
私の目の前には、知らない真っ白なおじさん。
服から髪から髭まで、真っ白なおじさん。
「あ、失礼」
ホワイトおじさんは右手に直方体の鞄を持ち、
そのまま左手を顔の前に指を揃えて構え、空間を切り裂くようにして去って行った。
だ、誰っ!?
「どうもありがとうございました~」
クルシオさんがホワイトおじさんに向けてお礼の言葉を投げ飛ばす。
し、商売っ!?
「お、セル、コバルト。帰ったか」
クルシオさんが私たちに気づいて、ごく当たり前の反応を示す。
「今の誰ですか」