コルニクス

私の手を包んでいたクロの手が離れ、私をくすぐる。

「や、やめてくださいー!!」

クロは無視する。

「やめてくださいって…」

またもや無視。
聞こえてるよね?

あ…敬語だから?

「やめてー!」

「ははっ」

クロは手を止める。
…からかうと意地悪な面もあるんだなあ。

別れ際に新たな発見。

「じゃあ俺の御守りも預かって」

クロは唐突に切りだし、ポケットからネックレスを取り出した。

「笛…?」

ネックレスには綺麗な銀の縦長の笛がついていた。

「これもラピスラズリ」

クロが指さした場所には、縦に綺麗に整列した3つの小さな球状の瑠璃石がはまっていた。

御守りが笛って…。

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