コルニクス
ベッドに座っていたクリュさんが私に向かって話す。
「何事もなにもっ!」
「ちょ、分かったセル。クリュ兄の体に障るから」
興奮状態の私をウィンクルムさんが落ち着けるように私を椅子に座らせる。
「容態はどうなの?どこが悪いの?」
「倒れはしたけどなんともなかった」
クリュさんが今にも吹き出しそうな様子で必死に笑いを噛み殺しながら答える。
「何がおかしいの?」
なんともなかったという答えに拍子抜けしながらも、このやり場のない胸のドキドキをどうしたらいいのか考えた。
「いや、なんでそんなに必死なのかなって思って」
……ムカッ。
「セルがクリュ兄のこと本気で心配してるからに決まってんじゃん」