コルニクス

「心臓神経症って言ってな」

クリュさんとウィンクルムさんを部屋に残して、ダイニングに一度戻り、クルシオさんに話を聞いた。

「ストレスからくる心臓の病気らしい。一時的なものだってさっきの医者は言ってたから、治るとは思うんだけど」

そう言ったクルシオさんの顔はひどく落ち込んでいるようで、心が痛んだ。

「あの、クリュさんのストレスって…」

「恋じゃないの?」

横から会話に入ってきて乙女ちっくなことを言っているのは、勿論ステルラ。

「恋って…ステルラ…」

「恋わずらいよ、恋の病よっ!」

クリュさんが聞いたらまた怒るだろうな。

「こんな辺鄙(ヘンピ)な過疎化してるとこで出逢いも何もないだろ」

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