コルニクス

そりゃクリュさんの"なんなんだよ"も飛び出すよね。

部屋はもう人でいっぱいで、クリュさんがあたかも死んでしまう人のようだった。

縁起でもないことは言うもんじゃないけど。

「意外と病弱なんだね」

クロがクリュさんに話しかける。

「久々だ。別に体が弱いわけじゃない」

「じゃあもう歳?」

「貴様…」

クリュさんの声の音程がテノールの域を越えて地を低く這った。

「口の利き方に気をつけろ」

「すいませーん」

クロは"悪寒が~"なんて言いながら笑っていた。

そんな最中にクロが腰につけていたトランシーバーから機械音が鳴る。

「ちょっとごめん」

と言って部屋を出て行くクロ。

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