コルニクス
あたたかい温もりからは、とても優しい気持ちがひしひしと伝わってきた。
それはまるで裏側に隠れるように貼りついているけれど。
しっかりここに、在る。
もしメッセージボトルを海に放つなら。
こういう温もりのある手で拾われてほしいな。
私が大切にしたためたメッセージを、そういう手で受け止めてもらいたいな。
頭の上に乗っている手を握り、そっと振り返る。
ベッドから降りて立っていたクリュさんがきょとんとした様子で、私を見ていた。
手をいきなり握られたからびっくりしたのだろう。
私だっていきなり頭に手が乗ってびっくりしたけど。
「寝てなくていいの?」
「心臓なんか滅多に痛くならないんだ」