コルニクス
クリュさんの手が私の頭の上から退く。
「痛くないときは、あり得ないほど元気」
私を元気づけてくれているのだろうか、クリュさんがなんか優しい。
…今の言い方だといつも優しくない人みたいだけど、いつも以上に優しい。
「きっとまた会える。会えなければ会いに行けばいい。インフィニートゥムなんて探せばあるんだから」
ほらね。
いつも以上に、優しい。
「…はい」
今は、そう返事するのがやっとだった。
「この恩はいつか必ずお返しする…って言うだけ言って、前のも返してないよね。いつどうやって返せばいいんだろ」
クロはコルニクスに乗り込んで、ちょっと前に終わったはずの会話を、また始めた。