コルニクス

…決まり文句なんだよね。

「地上に私の知人がいる」

ち…地上っ!?

「その者を訪ねて、カエルムというものを手に入れろ。金額は向こうの言い値で構わん」

「カエルム?」

聞き慣れない言葉。

「カエルム自体が何かは分からないが、奴に聞けば分かるだろう」

アバウトだな…。

「彼女の名をシアンといい、場所はここからウィオラーケウム渓谷を越えた東側の村のはずれの小さなボロ小屋だ」

そう言って渡された地図には赤く印がついていた。

「くれぐれも内密に頼む」

「…なぜ」

「カエルムは軽々しく扱えるものではないんだ。ニヒル・レーギアを起動させる唯一のツールなのだから───」
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