コルニクス
たてついて説得してみようかな。
…無理だよなあ。
聞くはずないよなあ。
俺は自分の中で問答を繰り返し、
最終的にはしぶしぶ雲を突っ切って地上に降りたったのだった。
地上ではどんよりと重みをもった雲が空をうめつくしていた。
昼なのに日の光が届かず暗く、
20分歩きさまよって見つけた小屋はどこか不気味な印象を俺に与えた。
…………
引っ越し先は…村の人に聞けばわかるかな?
そんなことを考えながら部屋を歩き回ると、写真たてを見つけた。
ガラスの板は割れているにも関わらず、写真の中の3人の笑顔は、どこまでも眩しかった。
俺はガラスの破片をそっとよけて、写真を取り出す。