コルニクス
もうこの小屋に用もないので、窓を閉じ、出口に向かって歩く。
外の景色は先ほどとは違い、太陽がはしゃぎすぎたように熱く、眩しかった。
「…っ」
そこで俺は息を呑む。
つい明るい景色に目を凝らす。
さっきまで暗すぎて見えなかったそれは、太陽に照らされ、気持ち悪いくらいに俺を仰天させた。
焦って、先ほど拝借した写真を内ポケットから取り出す。
真ん中の女の子は青い花びらの綺麗な花冠を頭にかぶり、弾けるくらいの笑顔でピースしている。
まさか…。
もし。もし本当にそうなら、カエルムって…。
俺の知っているあの子が、
"母の形見なんです─────"
そう言って大事にしていた…あれか?