コルニクス

私はクルシオさんの話を聞きながら、笛を取り出す。

「でも、セルのだったんだな」

石を笛に開いた穴に当てて、ぐっと押すと、パチンと音がした。

ぴったりと隙間無くはまったラピスラズリ。

もう落とさないようにしなきゃ。

「ありがとうございます」

「いやいや。俺もずっと持っててごめん」

それから、食糧の積み込みをしながらもクルシオさんが話した。

「コバルトって俺のことを"世話になった空族"とかって言ったんだろ?」

「あ、はい。確か」

食糧が入った箱はすごく重く、一生懸命運びながら話した。

クルシオさんは2、3個の箱を軽々しく運ぶ。

いつも思うけど、男の筋力は素晴らしいなっ!

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