コルニクス

私はデンスに問い聞いた。

「どういう顔って…どや顔でしょ」

悪びれもなく答えるデンスに、ちょっと吹き出してしまった。

こんなときに笑ってる場合じゃないんだけど。

でも、笑わずに、泣き叫び思い悩んでいたら、きっとどうにかなってしまったかもしれない。

ひょっとして、デンスはわざと…?

……いや、絶対違う。

「別にクリュさんのいつもの顔は、どや顔してるわけじゃないでしょ」

そう私が言ったとき。

窓が一気に光をとりこんだ。

「出航ーッ!」

ウィンクルムの声に、耳の奥までドライバーで突かれたような衝撃を味わった。

パクスが飛ぶ…。

それは綺麗な綺麗な真っ青な空が窓に映りこむ。

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